20日に松本で「信州こどもカフェ普及のためのフォーラム」開催される

20日に松本で「信州こどもカフェ普及のためのフォーラム」開催される

 20日に長野県が主催して、経済的に厳しい家庭の子供の学習支援や食事提供を行う「信州こどもカフェ」普及を掲げたフォーラムが、松本市で開催されました。参加した方からお聞きしたところ、モデル事業をやこども食堂を実施しているNPOや市町村担当者などが意見交換を行ない、カフェを運営する女性は「寄り添うだけで子供たちが学び始めることを実感」と有効性を訴え、子どもの権利を守りたいと話したそうです。運営のノウハウを地域に広げたいという声も聞かれたそうです。県のモデル事業は今年度で終了します。

■長野県の「子どもの貧困対策」の目玉として一年間取り組まれた「子どもの居場所モデル事業」の総括と評価のためのフォーラムでもあったと思います。ただ、このモデル事業は昨年来全県に広がる「こども食堂」をけん引しているわけではなく、むしろ民間の他のNPOや自主的ネットワークの活動の一部にすぎません。「どの部分がモデルなのか?」と問われてもあまり明確ではなく「みんな違ってみんなよい」、のうちのひとつです。モデル事業の補助金は、2か所のカフェに付いていただけです。「子どもの貧困対策」に県が予算化した公的財源は多くがこの事業に費やされましたが、「この事業で対策は最良の成果をあげた」わけではないことを確認して、今後これを市町村に提示するだけでなく、別の視点からの対策を実行するよう声を上げていきたいと思います。

■広がる居場所づくりは、実は本来活かされるべきだった地域のコミュニケーションをよみがえらせ、「つなぐ場」「孤立を防ぐ場」として評価され「子どもの貧困対策」に限定されたものではない、という共通理解が進んでいます。参加した方々も、そのような発信に共感できたと話していました。格差・貧困は、国民全体に広がっているのであり「子ども」だけに限ったことではないからです。心情的な関心を追い風に「限定的」支援にだけをすすめる施策には大きな落とし穴もあると思います。

■県の担当課が、このモデル事業の費用対効果を示して「これでよし」と肩の荷を下ろしてしまわないことを祈ります。これからです。「子どもの貧困対策」「貧困の連鎖を食い止める抜本的な施策」。


Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2017年02月21日21:23

この記事のコメント

僅か数年、限定的に予算を組んだだけで貧困問題が改善するとでも長野県は思っているのでしょうか?寄り添うだけで学び始める。しかしその後、学び続ける環境がこの長野県この日本にあるのでしょうか?何だか長野県の姿勢がはっきりと現れている気がするのは私だけでしょうか?
Posted by 生活困窮者 at 2017年02月22日 06:10
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