子どもの権利条約第12条・意見表明権の保障と「請願」

子どもの権利条約第12条・意見表明権の保障と「請願」

昨日の集会で松本工業高校の社会科の先生と生徒さんが行った報告は、日本ではなかなか具体的にイメージされず共有されていない、子どもの権利条約第12条「意見表明権」の保障のとてもわかりやすい事例だと思いました。
社会科の先生は1年生の必修科目である「現代社会」の授業で、「地方自治」の単元を教科書で学習してから、実践方法を紹介しています。文科省の教科書には、参政権としての「投票」と「請願」について模擬学習が解説されています。先生はここで机上の説明だけでなく、地元の議員さんの要請を受けて「懇談会」を開きました。18歳選挙権の実施で、議会内の「交流部会」が積極的に高校生との交流を提案してくれたことで実現しています。このことは背景に松本市の「子どもの権利条例」があると説明されました。先生は「模擬投票」についても実際の知事選を想定した授業をしています。こちらは「議員を選ぶ」という権利の行使ですが、「請願」は、高校生が自分たちに係る意見や要望を直接議会に届け、施策に反映して実現してもらう行動です。議員さんとの交流の中で出された要望が整理されて行政に届くことで実現できるかもしれないと実感すると、請願の方法や手続きを教科書や前例を参考に学びながら行っています。この事例では、通勤通学電車のラッシュの解消や運賃に関する請願でした。この請願は、委員会で採択されました。本会議でどのように結論が出るのかまだわかりません。しかし先生は「請願すれば簡単に実現するというものではないということもまた学習になる」と言われました。
こうして子どもの意見表明の手続きを教え支えることが、もっと小さい時から学校教育の中で行われているのがフランスをはじめ欧米の国々です。(となりの分科会ではこの研究が発表されていました)




Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2017年09月19日22:19

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