H27長野県ひとり親家庭調査「子どもの声」分析チームの報告。(3)

H27長野県ひとり親家庭調査「子どもの声」分析チームの報告。(3)

1 本当は進学したいけれど無理かもしれない。

「本当は進学したいけどお母さんには「私は高校を卒業したら働くからね」と言っている。
自分のように進学を諦めて就職しなければいけない子どもがいなくなるような制度があればよいと思います。友達が県外の私立を第一志望しているのを見ると羨ましくて悲しくなる。友達で「選ばなきゃ大学なんていっぱいある。」という人がいるが、選べる人に言われると「ふざけるんじゃない」と思う。大学のことを簡単に考えられる生活をしていると思うと劣等感しか生まれない。進学したかったが、お金が無いといけないので就職の予定。お金が無いためなりたいものを断念しなければならないのかという不安がいつもある」


これは自由記入の「将来への悩み」に書かれた子どもたちのことばです。
自由記入の中で、最も多いのがこの「進学したいが家にはお金が無いから不安」です。小学生の時にはまだ進学に「不安」を持ちつつも「勉強がわからない」ことのほうが大きな悩みですが、中学生になると高校への進路選択でより現実的な不安になります。この時期の不安は、目標を持って学習に取り組む意欲に大きな影響があります。でも高校生になると勉強も不安だけれど進学について自分で判断しています。「進学したいけれど無理」。家の人に言われるよりも前に、「進学しない」選択をしている記述が多いことに気が付きます。特に高校生では、2,3年生まで進学についての悩みは「お金の悩み」63%、「あきらめ」21%ですが、3年生になると「お金の悩み」は50%に減り、その分「あきらめ」が31%に増えます。大学進学を希望するにあたっては、奨学金や生活資金が大きな壁になり、漠然とした不安が「進学しない」自己決定を後押ししています。本当に「無理」かどうかの情報も無いことに不安は募ります。

以下に自由記入からさらに、「進学への不安」から「現実の選択肢」「遠慮やあきらめ」の気持ちを拾ってみました。

なりたいものになれないかもしれない女医になりたいがお金がないのでなれないかもしれない。お金があまりないので専門学校に行けるか心配(将来の夢デザイナー)大学入学の資金が心配(将来のゆめ医師)母だけの給料で大学まで行けるか心配(将来の夢獣医)将来の進学のためのお金が心配(将来の夢ゲームクリエイター)お金が無いので大学まで行けるかわからないことが不満。大学に行きたいけれどお金が無いからいけないかもしれない。自分のなりたい職業への費用が不安だし、望むことをちゅうちょしてしまいます。お金が無いためなりたいものを断念しなければならないのかという不安がいつもある。進学希望だが、お金のことが心配である。将来の夢をかなえるには短大などで学びたいがお金が無いから、必要な分を貯められるか不安。母の収入だけで大学に行けるのだろうか。専門学校か短大に行きたいが、母子家庭だからお金が心配。 学力・塾に行くためのお金。もっと勉強をできるようにしたい。数学が苦手でわからない所があるので塾に行きたい。遠慮しないでどんな塾でも行きたい。
親に言えない 勉強は好きでそこそこできる方だと思うし大学進学をしたいが大学まで行くと莫大なお金がかかるので大丈夫か不安。しかし大学へ行くとなると奨学金を借りても生活を苦しくさせると思うので親に言えない。大学に進学したいがお金がかかり母に負担をかけてしまうこと。4年制の大学に行きたいが家の事情で短大がギリギリです。母子家庭で大学進学はしたいけれど無理なのはわかっている。本当は進学したい気持ちはあるが、母には言わず、私は高校を卒業したら働くからねと言っている。大学進学希望だがお金がかかり諦めるしかない。貧乏が理由で高校・大学進学を諦めなければならない人を助けてほしい。行きたい大学は私立だが、親は金銭的に国公立しかダメだという。そのため勉強に対する目標が見えなくなってきてしまった。短大、大学に行くにはお金がかかると切実に思う。専門学校に進学したいと考えているけれど、専門学校はすごくお金がかかってお母さんに迷惑をかけるから悩んでいます。短大などに行きたいがお金が無いので就職も考えている。将来アニメや本関係の仕事に就きたいが、親は「お金がかかる」「学力が足りな い」と言います。自分の将来は自分で考えたいが今の私にはできません。どうした らよいのでしょうか。母子家庭でお金が無い。長野は大学がないから県外に行きたいがお金がかかるから結局大学へは行けない。親に借金をさせたくない。大学の免除制度があればいい。
あきらめる大学進学希望だがお金がかかり諦めるしかない。貧乏が理由で高校・大学進学を諦めなければならない人を助けてほしい。自分のように進学を諦めて就職しなければいけない子どもがいなくなるような制度があればよいと思います。進学したかったが、お金が無いといけないので就職の予定。どうしたら学校に行けるか悩んだが諦めた。誰でも進学できるような日本になってほしい。入学金から奨学金で賄ってほしい。専門学校を志望していたがお金がすごくかかることがわかり親に迷惑をかけたくないので就職に決めた。
劣等感しか生まれない。友達が県外の私立を第一志望しているのを見ると羨ましくて悲しくなる。友達で「選ばなきゃ大学なんていっぱいある。」という人がいるが、選べる人に言われると「ふざけるんじゃない」と思う。大学のことを簡単に考えられる生活をしていると思うと劣等感しか生まれない。母子家庭だからといって銀行がお金を貸してくれないという話を聞いた。そうなれば大学に行けなくなる。世の中の仕組みがおかし。差別だと思う。
選択肢がない なるべく自分のやりたい職業に就きたいから金銭面などの支援が必要。将来への希望がない。大好きな絵を学ぶため専門学校に行きたいが金銭的に行けない。進路を決めなければならないのですが、経済的なことを考えると選択肢が少なくなってしまうので悩んでいます。進学か就職か迷っている。進路を決めなければならないのですが、経済的なことを考えると選択肢が少なくなってしまう。
奨学金をもらえるかどうか。奨学金も借りるまではいいですが卒業した後返さなければいけないというのが引っ掛かり親が使わせてくれません。もう少し奨学金制度を見直してほしいです。大学進学希望だがお金がかかり諦めるしかない。行きたい大学があるが、県外だからお金がかかり行けない。先生は奨学金をもらってと簡単に言うが奨学金はいつか返さなければいけないので簡単には考えられない。「特待生」も塾に行けるような人よりも成績が高くないととれしない。そうなれるお金も環境もない。高校を特待生で卒業したい。
   

Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2018年01月20日20:24

この記事のコメント

奨学金。日本ではこの奨学金って学資ローンです。世界ではこれを奨学金とは言わない。世界では返さなくてよいものが奨学金です。首相のお友達の学園には例外尽くしで多額の予算、税金が湯水のように投入です。日本の将来を考えた時、この学資ローンを本来の奨学金にするか?お友達の学園に多額の予算を使うか?考える事が出来る人ならば、どちらが生きたお金かわかるはずですね。
Posted by 太陽の破片 at 2018年01月20日 22:38
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