不妊治療をおこなうこうのとり外来に併設された「こうのとり相談室」

長野の子ども白書編集委員会

2015年05月17日 19:59

2015長野の子ども白書掲載記事紹介(18)

諏訪マタニティークリニック「こうのとり相談室」
〜不妊治療のこころのよりどころとして〜

はじめに
 諏訪マタニティークリニックは33床の産科・婦人科・小児科・不妊治療施設として今年で開院39年目を迎え、生まれた赤ちゃんは15000人を超えました。私は不妊治療をおこなうこうのとり外来に併設された「こうのとり相談室」でカウンセラーとして勤務しております。掲載のお許しを得た患者さん方とのお話しから、不妊治療においての“こころ”について、お話しさせていただきます。

1、誰にも言えない ここでしか言えない
 人の持つ感情の中で、ヒガミ、憎悪、嫉妬、羨望などは日常出来る事ならあまり持ちたくない類のものですが、不妊治療の中では、自分と他者を比較してしまい、そんな感情と向かい合わなければならない時が否応なしにあるようです。Aさんの事例からお話しを始めます。
「5回目の体外受精も駄目でした。実は近日中に妹が出産するんです。妹も体外受精をしていて、お互い励まし合いながら治療をしてたので、妹の妊娠はこころから嬉しかったのに、また私は妊娠できなかったから自分だけ一人取り残されていくようで悲しくて悲しくて。赤ちゃんはもうじき生まれて来ちゃうし、一体どんな顔をして妹に逢いに行ったらいいかのかわかりません」Aさんは相談室に入るなり泣きながらこのようにお話しされました。

(続きは2015長野の子ども白書でお読みください。予約受付中。5月22日発売)