経産省有識者会議で「部活動の地域移行・民間クラブ活性化」提言

経産省有識者会議で「部活動の地域移行・民間クラブ活性化」提言

文部科学省では無く、経済産業省で。

今朝の信毎記事によれば、「経済産業省有識者会議は、学校の部活動を地域のスポーツクラブに委ねる「地域移行」に関連して、こうした民間のクラブを新たなサービス業として活性化させるための提言を公表した」(記事引用)

■教職員の時間外労働の問題を発端に、「地域移行」の問題が一つの「選択肢」として急浮上してきた感があります。
でも、中学校における「部活動」のあり方を考えることは、「生徒にとってどうであるか」という視点から出発するべきであり、教科指導外のスポーツや文化活動の機会を保障してきた経緯から考えると、単純に「地域移行」が合理的解決策とは言えないと思います。そもそも、「部活動」を、学校から切り離してよいのか・・・という問題が未解決です。

■大会のあり方や競争主義的なスポーツへの子ども参加の問題は、徐々に検討されつつあり、長時間、休日の部活動の見直しや目的そのものへの改善も進んできました。これらの問題が解決できないために、教職員の無償の指導が継続されていたり、子どもたちの多様なねがいにそぐわない部活動の実態が可視化されてきたのだと思います。

■どの子も、希望すればスポーツや芸術や教科外の活動にかかわれる機会が「学校教育」に保障されていることが前提で、勝利至上主義的スポーツの部活、全国大会に向かう音楽の部活などに、指導者も生徒もその平等の機会を奪われていることを見直す機会にしてほしいと思います。

■またしても「経済産業省」が、文科省を飛び越えて(または別の場所で)「義務教育の市場化」を推し進めていると感じます。不登校問題然り、GIGAスクール構想然り、デジタル教科書然り・・・行き着くところは、「子育てにも教育にも経済格差」が広がる。

■学校は「どの子にとっても安心の学びと育ちの社会的居場所」「教師が本当にやりたいことができる場所」では無くなる。


Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2022年09月29日08:51

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