長野の子ども白書「包括的性教育体験会」長野第5回は骨盤底筋!

長野の子ども白書「包括的性教育体験会」長野第5回は骨盤底筋!

「性教育は一生もの」というのはこれを体験すれば納得です。
中高年になって怪しくなってきた下半身の悩み。人に言えないしどこの病院にいけばいいのかわからないし、そもそも病気じゃないんだろうし・・・。
この悩ましい心配事も「包括的性教育」でスッキリ。対処法も予防法もあるんだ!!

「人生を支える骨底筋を学んで鍛える・ペルビックフロアレッスン」
授業者 みすずレディースクリニック 林さん

12月3日(日)14:00~16:00
長野市もんぜんぷら座801(8階)
参加費500円
参加申し込み・お問い合わせ
090-3806-9332
メール naganonokodomo@gmail.com

Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年11月18日21:37

11月19日は国際男性デー・男性の生きづらさや困難はジェンダーバイアスにも

11月19日は国際男性デー・男性の生きづらさや困難はジェンダーバイアスにも

「国際男性デー」というのがあるということを知らずにいました。昨日の信毎の「男性の性被害」の記事で知りました。
その起源や作られた意図をネット上で見ると、「国際男性デーの目的は、男性と男の子の健康に注目し、性の関係を改善し、性の平等を促す肯定的な男性のロールモデルに光を当てることを含んでいる」(ウキペディア)とあり、ジェンダーといえば女性の問題のように思ってしまいがちなまちがいに気づきました。たしかに、身近にある多くの問題で、「これだな」と思うことは多くあります。

・引きこもりに男性が多いこと
・子ども・若者の自死に男性が多いこと
・性加害・セクハラ・虐待・DVの当事者にある意識がこれかも
・男女差別を支えている家族観や性的役割分担の意識
・過剰な自己責任論は男性に期待される価値観が背景にあるかも


良い機会なので、こちらから見直してみることにしたいと思います。
有為な論考をご紹介いただければ幸いです。



Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年11月18日07:22

子どもたちの声から聴こえる:学校にいらないもの・ほしいもの・・・!

子どもたちの声から聴こえる:学校にいらないもの・ほしいもの・・・!

 10月29日の「学校のあるある」対話会には、予想通り現場の教職員の方は、組合の役員の方おひとりのみの参加で、教育関係者は参加がありませんでした。ここで報告されたのは主に「学校にあって欲しくないもの」(子どもを居心地悪くさせる言葉やできごと)で、教職員の言動から生まれていました。でも、報告者が指摘しているように、これらが私たちに伝える「声」は、学校にある「管理」「評価」「同一化」「序列化」への忌避あるいは抗議なのではないか・・・と考えられるのです。(多くのコメンテーターや研究者も同じようなことを論じているが)
 しかし、それを証明する「エビデンス」は無いので、「あれをやめる」「これをやめろ」・・・とは訴えにくいのです。

昨日11月4日は長野県教育研究集会でした。
記念講演講師の木村草太さんが「憲法と学校」と題して講演されました。この講演で私が印象に残ったのは、例えば参加者からの質問「教師の多忙化は子どもにも影響がある。子どもの権利を保障する立場でとらえられないか」という質問に、例えば「子どもと話をするために必要な時間が奪われている」ということを、概念づける必要がある。本当はどのような接し方にどのような時間が必要なのか。だいたい何時間くらいが最低必要なのか」を根拠づけて、その時間が他の業務のため、あるいは人員不足のために保障されていない」と主張することが可能。「教師の労働実態の改善に、安易に子どもの権利を理由づけるのはどうか」と回答されました。納得でした。
教師の多忙化問題で「学校にいらないもの」をもっと掘り下げたら、どうかと思います。本当に今の仕事は必要?そのために人員増やすのか?

今朝の信毎に日本総合研究所調査部・池上美香さんの「学校・緑と遊びのある場に」を読んで、「ほしいものはまずこれだな」と思いました。
おとなによる評価で序列化され、同一化を求められる「整然」とした学校に「雑然とした」あそびや自由な時間空間が無いので「いったいどうやって友達なんかできるんだろう」と思います。大人みたいに排除したりいじめたりすることはかんたんだけど・・・。

子どもの権利条約31条!!







Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年11月05日07:10

不登校対応の可能性「学校」が探る(信毎記事から)

不登校対応の可能性「学校」が探る(信毎記事から)

本日信毎教育欄に、「不登校対応の可能性探る学校」の記事がありました。
駒ケ根市立赤穂小学校で、不登校の児童が学校イベントの臨海学校に参加し、不登校傾向が変わった…と言うケースを紹介しています。

■不登校児童が希望すれば学校や学年の行事に参加できるよう、「配慮」することはどこの学校でもやっていると思います。必ずしもそれが登校へのきっかけにならないにせよ、子ども本人の希望を尊重しようという努力は、どの学校でもしていると思います。

■例えば集団一致行動に参加しなくても良い配慮・集団のルールから外れても許容される配慮・本人の特性や困り感に配慮を共有する環境・・・これらが実現すれば参加できる…こういう配慮が日常でもされれば「登校できる」・・・という事だと思います。

■長く現場にいた人なら、誰でもそのことが必要であり実現するように努力することは責務だと思っていたと思います。今も。

■ではなぜ今こうしてこと新たに報道されているのかと言えば、その配慮は学校教育の全体に日常的にされて欲しいという「意味」が認知されてきたからだと思います。「不登校の増加」という数の力で。子どもや保護者の声の切実さで。

■同じ紙面にNPO子ども若者サポートはみんぐの戸枝智子さんが語っています。「公教育に求めたいのは、不登校の児童生徒の親が求める提案をしっかり受け入れて実行することです」と。子どもの声・保護者の声を真摯に受け止めてその願いに応えようとする学校に、子どもたちは登校復帰を果たすように思います。

■保護者対応に追われる現場の教職員に「保護者クレーマーへの対応マニュアル」みたいなものさえ配布されているのが現実です。それは教職員も子どもや保護者の希望がわかっても「そうしてあげたいけどできないんです」としか答えようがないからです。どうしてできないか考えて見る余地がそろそろ見えてきたように思います。「多様な子どもへの対応」が建前上言われている時代です。軸足は「子ども」に。

■長野の子ども白書主催「学校のあるある対話会」は明日午後2時から長野市高校会館で開催です。不登校の要因は「学校教育の諸問題」にあります。それは例えば「みんな同じでなければいけない」というようなおかしなスタンダードや大人が子どもを支配する「ふつう」からの脱却かも。



Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年10月28日07:56

「男性にも女性にもある更年期障害と性教育」長野の子ども白書第4回体験会

「男性にも女性にもある更年期障害と性教育」長野の子ども白書第4回体験会

長野の子ども白書が1月から連続して開催している「包括的性教育体験会」は、長野会場第4回が、明日開かれます。今回は子どもの性教育から話題を「更年期」の大人に広げ、性教育が「包括的プログラム」によってこそその目的が達成されることを体験します。「更年期障害」といえば女性だけのもののように思われていますが、本当はどうでしょうか。すでに多くの男性の参加申しこみもあり、意義深い内容になりそうです。まだ参加可能です。

10月22日 14:00~16:00
長野市ふれあい福祉センター
テーマ:「男性にも女性にもある更年期障害と性教育」
授業者:林産婦人科医院 川内野千代さん(助産師)
参加費:500円
お問い合わせ:長野の子ども白書編集委員会事務局
電話 090-3806-9332
メール naganonokodomo@gmail.com


Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年10月21日21:17

第9回不適切指導シンポジウム(安全な生徒指導を考える会主催)に参加して

第9回不適切指導シンポジウム(安全な生徒指導を考える会主催)に参加しました。(オンライン)

 全国には学校の指導や不適切な対応で自殺した子どもがたくさんいると言われています。亡くなった子どもの遺族が中心になって「安全な生徒指導を考える会」を組織し、その事実の検証や再発防止のために活動しています。よく知られているように、学齢期の子どもが自殺すると、その原因や背景を誠意をもって究明し、反省や謝罪を行い再発防止に生かそうとする学校は少なく、自殺を隠そうとしたりその原因を「不明」としたり、その責任を回避する事例がほとんどです。
 「いじめ」による自殺についてはもう40年も前から同じような「隠ぺい」が後を絶たず、「学校」が子どもの「自死」についてその本当の理由や背景、防止のための教訓などを導く努力はされてきませんでした。

 学校の「生徒指導提要」が昨年改訂されました。これは、学校での「指導死」「不適切指導」が広く認知され、その重要性が明らかになってきたからです。今日のシンポジウムでは「東広島市立中学校指導死事件」について、そのご遺族らが10年以上の永きにわたって訴え続けてきた努力の先に、この「生徒指導提要」の改訂があったことが明らかにされました。この会の文科省大臣に提出した文書の中に「何が不適切な指導なのか」書かれていますが、ほとんどその内容がそのまま文科省の「例」として取り上げられています。

 亡くなった生徒の事例は本当に理不尽な「指導」を受けています。あまりのことにここに簡単に記すことができません。

 2012年、自死から2月後に調査委員会が設置されますが、半年後に出された調査報告書はとても遺族が納得できるものではありませんでした。遺族の改善要求を拒否したまま、報告書は教育長に提出されます。(自死から約1年後)遺族は東広島市長に再調査を要望し、他の事件の遺族と帯同して文部科学省に陳述書を提出。東広島市議会へいじめ防止対策推進法に準じた再調査を求めて請願しましたが、「不採決」となりました。東広島市教育委員会へいじめ防止対策法に準じた再調査を求め、交渉を続けました。2015年に限界を感じ、提訴に踏み切りました。2021年にやっと拒否されていた文書の提示命令が出て記録が開示され、停滞していた裁判が進み始めました。2022年8月に関係した教員の証人尋問が行われ、和解協議に入り、6つの不適切指導を認めた裁判所の和解勧告を受け入れ、和解しました。

■長野の子ども白書がその救済のために紹介してきた「中学校部活顧問の暴力・暴言・差別・人権侵害」の事例は、「不適切指導」そのものであり、被害者が何度も自死を試みていること、重いPTSDを発症していることなど、同じ重さを感じます。教育委員会は子ども支援委員会から「再調査」の勧告を受けています。真摯に受け止めて再発防止につなげて欲しいと思います。

■こうした学校内での教師による人権侵害を重くとらえていかなければ、子どもたちの「いのち」が守れないと思います。





Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年10月14日21:35

「戦争」はいやだ!「戦争」は誰が何のために多くの被害と犠牲を強いたのか知ろう

「戦争」はいやだ!「戦争」は誰が何のために多くの被害と犠牲を強いたのか知ろう

NHKスペシャル「幻の地下大本営」がBSで再放送されています。
この番組で次々に明かされる証言や事実は、「松代大本営」を舞台に終戦まじかにくり広げられた悲劇が、いったい誰が何のために行っていたのかをはっきりと私たちに教えてくれます。

■大量の武器を装備したり敵基地攻撃に有効なトマホークを買ったり、「抑止力」と言う名目で「戦争」をする国へと準備を進める現政権のねらいが、決して私たちが望む「平和」への道ではないことをまざまざと教えられます。

■この番組は身近な「松代大本営」の本当の意味とそれによる大きな犠牲の事実を伝えてくれます。

■この工事の遅れを理由に「沖縄戦」が起こったことも、同じ目的だったとわかります。

■「国体護持」・・・国家(天皇)さえ残れば侵略した朝鮮の人々を強制的に使い、国民に多くの犠牲を強いることも厭わない。建設の遅れを沖縄でくい止めるという命令を出したこと。しかも大本営の建設は「敗戦の時」を想定して進められていたとは・・・。

NHKスペシャル「幻の地下大本営」はBSでもう一度再放送があります。
10/10(火)16:50~17:49

■子どもたちに伝えたい。「戦争の無い未来は、戦争をしない国をめざすこと・主権者は私たちだ」




Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年10月07日08:38

長野県内の2021年度不登校は4707人過去最多を更新。いじめ件数も増加。

長野県内の2021年度不登校は4707人過去最多を更新。いじめ件数も増加。

本日の信濃毎日新聞の報道によれば、全国の不登校は29万人。重大いじめは923件(文科省発表)とあります。
学校が判断した不登校理由は「無気力、不安」が過半数を占める。

■不登校の当事者・保護者・支援者からは「この理由は学校が判断したもので。本当の理由は当事者から聴かれていない」と指摘されています。すでに早い時期からこのことは言われていましたが、県教委が「当事者から聴きとりをする」と約束したきり、その結果や課題は公表されていません。
そのため「不登校当事者によるアンケート調査」が実施され、近いうちに結果が公表されると思います。

■不登校があたかも自然災害か原因不明の病気か何かのようにその原因究明は棚上げされ、学校から避難した子どもたちへの対応や居場所に視点が向いています。もちろん「学校外の学びの場」も「居場所」も広く容認され子どもたちが安心して過ごせるようになることは願いですが、公教育の現場から避難する子どもたちが「なぜそこにいられなくなったのか」を解明することが大事なのではないかと思います。

■「不安」「恐怖」「身体が動かない」「心身の不調」も、すでに「個人的な問題」ではなくなっています。本人にはわからない何かがあるはずです。

■「不登校」と言う選択は賢明でその選択を尊重することも大事ですが、その前に、はじめから学校外の学びの場を選択するのと、公教育で「不登校になる」のとは根本的に違うような気がします。

■いじめによる不登校も集計上は多くはありませんが、学校の不適切ないじめ対応がその期間を長引かせている・・・という「重大事態不認定」の事案がたくさん隠れていると思います。それは結果として多くの子どもの不安感を募らせ、避難行動としての「不登校」にもつながります。

■10月29日午後14:00~長野市内で「学校のあるある」(対話会)を開催します。





Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年10月05日08:41

包括的性教育への期待が広がっている「性教育の歯止め規定不要」88%

包括的性教育への期待が広がっている「性教育の歯止め規定不要」88%

今朝の信毎には、全国世論調査協会の「子どもの安全」をめぐる全国調査のまとめが報じられています。
「中学の学習指導要領で『妊娠の経過は取り扱わない』とする歯止め規定をなくすべきだ」という回答が88%に上ったとあります。

■子どもを性被害から守るために重要な取り組みは「法整備による厳罰化」33%に次いで「子どもへの性教育」28%と続いた。

■埼玉大学田代美江子教授のコメントも「性教育、幅広くポジティブに」とあります。包括的性教育のお薦めです。

長野の子ども白書が主催する「包括的性教育体験会」は、次回10回目を迎えます。多くの方が体験し、自らも学ぶとともに、権利の主体である子どもたち自身に包括的性教育を行う事の重要性を共有していただきたいと思います。

長野第4回包括的性教育体験会

10月22日(日)14:00~16:00
長野市ふれあい福祉センター
授業者:川内野千代さん
テーマ:男性にも女性にもある更年期障害と性教育
参加費 500円
お申込み:naganonokodomo@gmail.com





Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年10月01日07:04

今やりたいことをやる高校生・大西彩桜さんのこと。視線は海外へ。

今やりたいことをやる高校生・大西彩桜さんのこと。視線は海外へ。

日曜日の信毎ユースてらすに、SDGsの実践として、高校生大西彩桜さんが紹介されていました。あんまり大きな記事で目に入らなかったのか、気が付かずにいました。そうしたら、日曜日開店の「回る周るハウス」に来たサポーターの方が「今朝さくらちゃんの記事大きく出てたね!」と言うのでびっくりしました。さくらさんは回る周るの高校生サポーターとしてずっと手伝ってくれています。さくらさんはボランティアとして活動していましたが、とても主体的で、子ども用品や衣類をリサイクルで循環する活動の意義や目的をポスターにしたり、運営の工夫を提案してくれたりしました。中学生がボランティアに来て動画制作をしたときには、みんなをまとめてアドバイスしたり援けたりしてくれました。しばらく姿を見せなくなることもありましたが「勉強も忙しいのだろうな」と思っていたら、この記事を読んで謎が解けました。

彩桜さんにはやりたいことがあって、きっとそのために大学進学もそのための準備もあるのでしょうが、「今やりたいこと」に向かっていると記事には書いてありました。将来は発展途上国の支援に関心を持っている彩桜さんは、昨年夏のカンボジアでの体験から「子どもたちに手洗いの大切さを伝える絵本を作って贈る」活動のプロジェクトを立ち上げたそうです。すごいね!!進学校の生活から通信制の高校に転入して「自由な時間」を生み出して、勉強も活動も「今やりたいこと」をやるのだそうです。うーん。なるほど。

紙面の真ん中にすっかりお姉さんになった彩桜さんが絵本を手にする画像が。

そんな中でも時々「回る周るハウス」に現れて、散らかったスタッフヤードを片付けたり、おもちゃを探す子どもとお話ししたりしてくれる彩桜さんが、大きな夢に向かって型にはまらない生き方を見せてくれるのがとてもうれしいです。新しい時代。



Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年09月26日20:11

教員志願 止まらぬ減少 来年度6,000人減(朝日新聞全国調査)

教員志願 止まらぬ減少 来年度6,000人減(朝日新聞全国調査)

今朝の朝日新聞トップ記事は「教員志願 止まらぬ減少」でした。一大事!

記事によれば、採用試験を行う全国68機関のうち6割近い38機関で、24年度試験の志願者数がこの5年間で最低となったそうです。
志願者数が減った理由について選択肢を示して複数回答で聞くと、「教員の長時間労働などの問題が知られ、大学生から教職が敬遠されている」を選んだのが30機関と最多だった。29機関が「教員以外の業種の採用拡大による競争激化」を選んだ。その一方で志願者数が増えた自治体もある。東京都は12年ぶりに増加に転じた。100人増えたさいたま市は今年から新たに、大学や研究機関での研究経験があり、教員免許を持たない人を対象にした一次試験免除枠を設けるなどした、ということです。

昨日のしんぶん赤旗の一面には、気候危機対策を要求するNY7.5万人集会や、全国各地で声を上げる若者の記事とならんで、長野県教組が毎年取り組んでいる「教職員の勤務実態調査」についての記事がありました。(STOP!学校の長時間労働)こちらは実態調査を基に実際の現場で起こっていることを報告し、「『はたらき方改革』が叫ばれていますが、現場の実感としては大きな変化はない」という岩下書記長の話を紹介しています。長野県教組では県教委に対し改善に向けての要望を出しています。多忙の原因と言われる「教育課程研究」や「指定校研究」では、長年の要望によって県教委も改善のためのガイドラインをつくってきたそうです。昨年初めて「勤務時間に配慮した研究となるように努力する」旨の記述が加わりました。なにより教職員の配置増がどうしても必要。緊急対策として国が昨年打ち出した「産休代替え教員の加配時期の前倒し」を県内でも実現しました。

■教員になろうとする大学生が減っているのは、国の「教育」にかける本気の施策や教育予算の少なさに、希望を見いだせないからだと思います。
「大変な仕事だからやめておこう」とそんな理由で志願しないのではない・・・と思います。「教育や子どもを大切にしない国」で。





Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年09月20日21:30

「性暴力」の教員処分。子どもの人権や権利を守る意識が弱いためだと・・」

「性暴力」の教員処分。子どもの人権や権利を守る意識が弱いためだと受け止めるべき」

本日の信毎社説には「相次ぐ教員処分・子どもの人権 現場に徹底を」という見出しで、この相次ぐ不祥事は、県教委が2013年に始めた「行動計画」から10年がたってもなお処分は後を絶たないこと。研修を強化し処分を厳罰化し、16年には「特別対策」も打ち出した。教員自らが行うチェックシートも実施した。だが減らない。この3月には「不祥事の根絶に向けて」との教育長名のメッセージも発した。「なのに問題が起き続けるのはなぜか。子どもの人権や権利を守る意識が弱いためだと、すべての関係者は受け止めるべきである」(社説引用)ことが書かれています。
本当に同感です。(今さら・・・とも思いますが)

■「不祥事」として処罰の対象にされているが、「性暴力」や「わいせつ行為」は重大な人権侵害です。(心の殺人とも)

■処分する側の県教委も、なぜ、それが人権侵害なのか・・・を、本当に理解しているのかどうか心配です。

■包括的性教育プログラムでは、「自分のからだも心も自分のもの」としてその権利を尊重され守られる・・・と教えます。子どもは自立するまで大人の養育や保護を必要とし、たくさんの愛情も支援も享受しますが、「自分」という存在は自分のものです。人間としての権利の主体です。

■教育関係者が「子どもの人権や権利を守る意識が弱い」どころか、それがなんであるかを「知らない」と言った方が早いと思います。








Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年09月18日19:05

第68回はたらく女性の中央集会(長野開催)参加のお誘い

第68回はたらく女性の中央集会(長野開催)参加のお誘い

1.主 催 第68回はたらく女性の中央集会中央実行委員会・長野県実行委員会

2.日 時 <1日目>10月7日(土)12:30受付開始 13:30~16:00

※文化行事、記念対談

<2日目>10月8日(日) 9:30受付開始 10:00~12:30

※4つの分科会、2つの見学分科会
チラシhttps://naganokokyoso.com/wp/wp-content/uploads/2023/08/%E3%81%A1%E3%82%89%E3%81%97%E7%AC%AC68%E5%9B%9E%E3%81%AF%E3%81%9F%E3%82%89%E3%81%8F%E5%A5%B3%E6%80%A7%E3%81%AE%E4%B8%AD%E5%A4%AE%E9%9B%86%E4%BC%9A.pdf

3.場 所 <1日目>THE SAIHOKUKAN HOTEL ホテル犀北館

〒380-0838 長野市県町528-1 TEL026-235-3333

オンライン併用(ウェビナー)

<2日目>JA長野ビル12階会議室A、B、C、D

〒380-0826 長野市大字南長野北石室町1177番地3

TEL026-236-3600

オンライン併用(ミーティング)

4.内 容 <1日目>

〇記念対談「私たちにできること~平和憲法と民主主義、ジェンダー平等~」

青木 理さん(ジャーナリスト)× 小畑 雅子さん(全労連議長)

〇文化行事、たたかいの交流

<2日目>

〇4つの分科会、2つの見学分科会(チラシ参照)



Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年09月14日06:58

第34回長野県小児保健研究会・市民公開講演会「子どもの貧困」問題ご案内

第34回長野県小児保健研究会・市民公開講演会「子どもの貧困」問題ご案内

第34回長野県小児保健研究会・日本小児保健協会長野支部総会が、市民講座を開きます。
参加費無料・申し込み不要です。和田浩さんの特別講演があります。

9月23日(土)13:00~15:00
会場:松本歯科大学 図書館(塩尻市広丘郷原1780)

プログラム

講演Ⅰ 保健室からみた子どもの健康課題
     講師:畠山文子さん(長野県学校保健会養護教育部会長)

講演2 こども食堂~第三の居場所づくりと貧困対策~
     講師:青木正照さん(NPOホットライン信州)

特別講演 子どもの貧困~小児科の現場から~
     和田浩さん(健和会病院小児科)





Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年09月07日07:57

第65回人権擁護大会in長野2つのシンポジウムのご案内(参加無料)

第65回人権擁護大会in長野2つのシンポジウムのご案内(参加無料)

第65回人権擁護大会・シンポジウムが、今年は長野市で行われます。
豊富な内容で参加無料です。ぜひお申し込みください。
詳細は下記のURLをご覧ください。

2023年10月5日(木)12時30分~18時00分

第1分科会 会場:ホクト文化ホール

人権としての「医療へのアクセス」の保障
会場参加・WEB参加ともに無料です。

~新自由主義的医療改革から住民のいのちと医療の現場が大切にされる医療保障改革へ~

https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/event/year/2023/231005_chirashi_2.pdf
和田浩さんの特別報告のほか、県内外の医療者が報告を行います。

第2分科会 会場:長野市芸術館
地域の家庭裁判所が真に住民の人権保障の砦たりうるために
~司法IT化の隙間で生じる子ども・高齢者・障害者の権利救済・権利擁護支援の視点から~

https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/event/year/2023/231005_chirashi.pdf
特別講演「子どもの権利条約から見た家庭裁判所のあり方」
前国連子どもの権利委員会委員長:大谷美紀子さん(弁護士)が講演します。

https://www.nichibenren.or.jp/event/year/2023/231005_06.html

Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年09月06日19:20

子どものスポーツ・部活動を「楽しむこと」に重点をおきたい。全国大会はいらない。

子どものスポーツ・部活動を「楽しむこと」に重点をおきたい。全国大会はいらない。

本日の信濃毎日新聞に、元陸上選手・為末大さんの意見が紹介されています。
為末さんは「中学生までの全国大会抑制すべきだ」と述べています。すでに「勝利至上主義」がもたらす弊害や子どもの健康上のリスクなど、多くの小中学生が楽しみたい「スポーツ」の目的から離れた活動が問題視されています。

■2012長野の子ども白書(創刊号)には、現役の体育教師小山吉明さんが「子どもたちに適度な遊びと運動を」と、全国大会を目指す部活動のために、所属する部員もその他の生徒も「スポーツを楽しむ」機会を奪われてしまっていると指摘しています。為末さんの記事と同じことをすでに12年前に書いています。

■それによれば、「部活動の過熱を防ぐため、全国大会は1978年までは禁止されていました。しかしその後ほとんどのスポーツ種目で全国大会が開催されるようになり、その出場権を得るための北信越や東海地区の大会が開催されるようになりました。吹奏楽や合唱なども同様です。秋から始まる1,2年生の新人大会も体育協会加盟の競技団体が県大会やその上の地区大会を主催しており、結局子どもたちは一年中大会やコンクールに追われて活動することになってしまっています。」(2012長野の子ども白書P144小山)

■部活動顧問の不適切指導や暴力・虐待も、この「勝利至上主義」に正当化されて、子どもの権利を守ることがありませんでした。
特にスポーツやゲームは「勝敗」がつきものです。しかし大事なのは子どもがそれを体験し楽しむ機会をどう提供するかです。部活動の地域移行も始まっていますが、保護者の「勝利至上主義」が、これを過熱させていることもあります。

■もう一度、子ども期に体験させたいスポーツや表現活動は、幅広く「楽しむこと」に重点を置きたいと思います。

■「野球だけしかやらない子どもの中にも、サッカーが得意な子も陸上が得意な子もいる。可能性は初めから狭めないで楽しむ」ことやルールを知ることが学校の「体育教育」の役割だし、その延長線上に「部活動」もあるといいなあと思います。

子どもの部活動についての記事は2012・2013・2014・・・2023にあります。HPでご覧ください。



Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年09月01日07:25

お待たせしました。2022・2023長野の子ども白書HPで公開!

お待たせしました。2022長野の子ども白書・2023長野の子ども白書HPで公開!

昨年も今年も、早い時期の完売で、購入できなかった方がたくさんおられました。本日、2022・2023長野の子ども白書をHPからダウンロードしてご覧いただけるようになりました。数年にわたる連載のテーマや記事も多く、「読みたい」というご希望を多数いただいておりました。

例えば、今回の「いじめ・不登校」「部活指導者の暴力」など、2021年に支援委員会に救済を求めた際の「申立書」は、2021長野の子ども白書に掲載しています。その後、支援委員会の協議に入ってからさらに詳細を2022長野の子ども白書と2023長野の子ども白書に掲載しています。今回、支援委員会が教育委員会に対して「勧告」を発したことや、その背景や評価についての記事も掲載していますが、遡って読まなければなかなか理解できない事例です。
どうか、この件に関心をお持ちの方は、2021からお読みください。
さらに、2023長野の子ども白書で、北川弁護士が触れている「子ども支援委員会・支援センター」については、さらに遡って、「子ども支援条例」ができる前の記事からお読みいただくことで、さらに理解できるかと思います。

最近、夏休みの一研究に「こども基本法」を選んだ小学生から、その理念を生かすという「子どもの権利条約」についてのご質問をいただきました。この理解を助けるためには、2021長野の子ども白書と、2023長野の子ども白書をお読みいただくことになりました。子どものための法律のはずですが、誰も子どもに説明しないのも不思議です。

創刊から12年の長野の子ども白書は、そういう意味ではたくさんの声や事例や知見を蓄積しています。
有効に活用していただければ幸いです。
こどもの**というテーマで検索したら、長野の子ども白書にきっとあります。(検索できるようにすればいいんだね!)

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Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年08月26日18:22

「子どもの声を聴き入れ、聴き届ける」ことで無くせる・救える子どもの人権被害。

「子どもの声を聴き入れ、聴き届ける」ことで無くせる・救える子どもの人権侵害被害。

2021~2023まで、長野の子ども白書が届けたかった「子どもの声」は、学校で起きたいじめや不登校・体罰・暴力について、「なかったことにされてきた被害」にまつわる学校や教育委員会の対応への訴えでした。特徴的な事例はいくつか当事者の報告に依る記事を何件か掲載しましたが、そのうち、長野県子ども支援条例下の支援委員会に救済を申し出た2件について、委員会は延べ3年の協議の末、3月に県教委への「勧告」を発しました。(条例制定後初めて)
この勧告について、県教育長が見解を表明しました。昨日の信濃毎日新聞に記事がありました。
2件の人権救済申立てについて、
①小学校のいじめ・不登校については、勧告を受けて「再調査」を要請。
②中学校部活の体罰(体罰を含む暴力・暴言)については、「第三者委員会」を設置し、認定した体罰のほかにも体罰行為があったかどうか再調査するよう要請しました。
他の事例を見ても、第三者委員会ができたり再調査が開始されたりしても、何年も時間が経っていることで、困難な面やさらに時間がかかることも考えられます。そのため逆に「なかったこと」にお墨付きをされてしまうことすらあります。世論の監視や後押しが欲しいです。詳細は2023長野の子ども白書p30~36参照。(近日中にHPに公開)申立て本文は2021長野の子ども白書(HPに公開中)

■そもそも、子どもが学校で「いじめられている」、または「体罰がある」と告げた時に、きちんとその声を聴かず、「たいしたことないよ」「そんなつもりじゃない」「被害妄想だよ」「お母さんが神経質すぎる」などと指導し、本人の申し出(声)を信頼し尊重しない対応から始まります。この時、せっかく自分の気持ちを伝えても「信じてもらえない」「嘘つき呼ばわりされる」「自分がいけないのだと説得される」体験が、どれほど大きな傷を心に遺すのかその事例を教訓にしてほしいです。「自分の言うことを信じない大人・学校・社会」のどこに居場所を探せばよいですか?

■部活での顧問の体罰や暴力についても、学校の対応がまるで子どもの受けた被害とその痛みを聴き入れず、「先生は熱意のあまりやりすぎた」とか、被害を訴えた当事者を「がまんが足りない」かのように排除したり、学校の対面のためだけに「無かったことにする」ことから始まります。

■今朝の信毎「コンパス」には、古山明男さんが「マルトリートメントの害毒」として、学校内で「子どもだから」と許されている人権侵害が子どもを苦しめていることを書いています。2023長野の子ども白書「学校あるある」はほとんどがそれです。この件については、2022長野の子ども白書で、ライターの小鳥遊さんが、「アンコンシャス・バイアスとは何か」で、鋭く指摘しています。子どもの学校での小児期逆境体験が、その発育や発達に大きな影響を与えるということも書いています。

■春先の信毎の特集「ふつうってなに」シリーズも、この視点から考えると実に鮮やかでわかりやすいです。(よくわからない結末にも不満)今こそ、「子どもの声を聴く」価値観に私たち自身が変えていく時期です。「子どもは権利の主体です」。





Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年08月26日09:30

「性暴力」も「戦争」も「核」も、「なかったこと」にはできない。事実を子どもたちに。

「性暴力」も「戦争」も「核」も、「なかったこと」にはできない。事実を子どもたちに。

今朝の信毎には、ジャニーズ事務所の元社長による性加害問題について、信田さよ子さんが「被害者トラウマ 専門的治療を」と題し、その被害の過酷さと治療の難しさを語っています。「ベトナム戦争の兵士が戦場では無く帰国後に心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症したのと同様、性被害者も『これは性暴力だ』と認識した時から世界が反転するような衝撃を受け続けることになる」(引用)とあるように、その時そうとは気づかずにいた自分への怒りにつながり深刻なアンビバランスを生み出す・・・と。

■日本が学校教育でセクシャリティ教育を封印してきた時代と、この被害者たちの子ども時代が重なります。科学的な知識を持ち、自分の身体も心もその権利の主体は自分である・・・という包括的セクシャリティ教育を受けていたら、「イヤ」と言えたと思います。まして、そのことに薄々気付きながら報道や社会が沈黙していたのは、「包括的性教育」を受けていない現役世代の価値観がまだ根強いからだと思います。今も、受けた性被害に気づいても「告発」できない子ども・若者がたくさんいます。「セカンドレイプ」を怖れるのは、「加害の事実を無かったことにする」社会の風潮がまだ根強いからだと思います。子どもたちへの教育から、変えていかなくては…と思います。

■加害の事実を無かったことにする・・・のは、「戦争」も同じです。今朝の朝日新聞コラム天声人語には、画家香月泰男さんの作品に触れて「広島の死は『無辜の民の死』満州での死は『侵略への贖罪を求められた『加害者のあがなわされた死』・・・という一文があります。ひとくくりに「戦争」と言っても、その被害はなぜ生まれたのかと言うところまで遡らなければその正体は見えません。加害だけを無かったことにはできない。国家・国策の誤りへの反省と被害国への謝罪が無ければとうてい「平和外交」はできない。天皇陛下はわかっているのだと思います。今年も軽井沢の大日向村を訪問されます。

■「汚染水」が海洋に流される強引な政府の行動も「無かったことにする」ただそのためだと思われます。累々とした汚染土の山や汚染水のタンク、原発の建物さえも見えなくしてしまいたい思惑。以前、小出裕章さんが講演で出された「廃炉の後の建物や汚染土はどうするのか」という質問に「よく見えるように遺しておくことです」ときっぱりと答えられました。「無かったこと」にしたいできごとは、「忘れてはいけない」できごとなのだ。

■まだベルリンの壁が存在していたころ、アウシュビッツやビルケナウの収容所跡を何度か見学しました。「ホロコースト」が特別な物であったという以上に、人間が繰り返す暴力的な「戦争」や「排除」は、このすさまじい遺物を教訓に地球上から無くさなくてはいけない…と言うメッセージが伝わります。大きな犯罪を犯した国家も政府も、当事者(ナチ)が駆逐されたからといって終わりではなく、悲しいことにまた別の地で別の形で繰り返されます。







Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年08月23日07:51

8月15日終戦記念日に「戦争の正体を見極めねば」(信毎社説)

8月15日終戦記念日に「戦争の正体を見極めねば」(信毎社説)

台風接近のニュースで、今日が終戦記念日だということを忘れてしまいそうなくらい、テレビもラジオも静かです。戦争を体験した世代が「今語り継がねば」と語り始めた体験は、戦争によって被った被害や目の当たりにした凄惨な情景が、「戦争を繰り返してはいけない」と次世代に伝えます。
広島市長に続き長崎市長も「核抑止論は破綻している。核兵器廃絶を!」と宣言しています。しかし、現政権は核保有を正当化する「核抑止論」を堅持し、「核兵器廃絶」を訴えるどころか「力の均衡を保つための」軍拡に余念がない。

今朝の信毎、五十嵐主幹の論説は「今、力のある国が、力のない国を攻めている。紛争も緊張も武器を売る好機だ。これが現実。受け入れよ。同じ波に乗れー。被爆と敗戦の苦しみから学んだはずの日本でそんな声が力を増す。被害と加害、血と飢え、人の狂気を経験した世代が少なくなる一方、後に続く世代は現実と願いをきちんと引き継げていない。分断と対立が加速する時代に入っている。平和はぼんやりと望むだけでは守れない。人に、モノに、言葉に触れ、忌むべき戦争の具体的なイメージをつかみ直す時だ。『戦後』を永遠に保ち続けるために」と書いています。

■やっと・・・掘り起こされ語られ始めた「加害」の事実。復員した兵士たちはその体験を戦後も家族にすら語らないことが多かった。PTSDで廃人のようになった帰還兵は、ベトナム戦争の若者だけでは無く日本の帰還兵の多くが体験していたはずだ。毎年8月に上映される「原田要平和への祈り」の、元パイロット原田さんは、「撃ち落とした敵機の兵士にも家族はいただろうに」とその罪の意識を亡くなるまで抱き続け、「心安らかな思いは一度もしていない」と語っておられた。多くの兵士が敵を倒すことで自ら生き延び、戦争の狂気に巻き込まれて凄惨な加害の現場に立ち会い、「もう二度と戦争はイヤだ」と思いながらも、自らの自責の念を語る機会すら失って、原田さんと同じように「心安らぐ思い」はしていないはずだ。

■日本の侵略戦争の加害の事実は敢えて隠されてきました。朝鮮半島や中国で東南アジアで日本が「戦争」という名で行った加害の事実は、被害を受けた側が「怒りや恨み」として持ち続けることが当然なほど残酷で狂気に満ちていました。その事実を歴史の時間に扱うと「子どもたちが日本人であることに誇りを持てなくなる」と批判すらされた。原爆投下の被害が甚大であったことから、あたかも「被害」だけを被ったかのように「平和教育」は刷り込まれたように思います。原爆を投下したアメリカは「日本の侵略戦争をやめさせた」と、正当化しているのにもかかわらず。

■私たちは次世代に、日本が過去に犯した侵略戦争の加害の事実と国策の誤りから、原爆投下されるまでの一連の歴史を正しく伝えるべき時が来たと思います。その誤りを理解して初めて「再び戦争をする」ことを許さない主権者になれると思います。「平和はぼんやりと望むだけでは守れない」・・・。しっかりしなければ・・・。



Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年08月15日21:21