2021長野の子ども白書掲載予定記事紹介㊱家庭でも学校でもICTの活用が進む

2021長野の子ども白書掲載予定記事紹介㊱家庭でも学校でもICTの活用が進む

家庭でも学校でもICTの活用が進む~その中で失ってはいけないもの~
松島 恒志

コロナ禍によって、世の中は随分と変わってしまいました。もちろん学校現場もその影響受けて大きく変わり、ICTの位置づけが重要になってきました。それに伴い、課題もたくさん浮き彫りとなりました。

中略

アンケート結果から
アンケートは40ほどの市町村と、20ほどの高校の児童生徒7万人以上を対象に、6月後半から7月に行いました。
①「休業を終えた今」の自分のついて(使用時間)(グラフ略)
臨時休業前の自分と比べて学習以外での使用時間がどうなったかをきいた結果です。多くの児童生徒について、使用時間が長くなっていることがわかります。特に中高生にその傾向が強く出ています。「使用時間が短くなった」と答えている児童生徒にその理由を聞いてみると、「休みの前半に長時間やり過ぎたため飽きてしまった」という答えが多く返ってきました。長時間オンラインゲームやSNSをやり続けた児童生徒は生活リズムを元通りにするのに苦労している状況が見えたため、このデータをもとに全県に啓発を行いました。

②「休業を終えた今」の自分のついて(家族との関係)(グラフ略)
臨時休業中や休業後のマスコミ報道では「多くの子どもや保護者がお互いにストレスをためて『関係が悪くなった』『虐待が増えた』『DVが増えた』」というものが多くありました。しかし私は、休業の後半に、家族でガーデニングをしたり、たんぼ道を仲良く散歩やジョギングしたりする姿を見かけていました。家族の絆が深まるチャンスでもあると感じ、この調査項目を入れました。特に長野県においては自然が豊かで、外に出て仲良く過ごす機会が増えたのではないかと考えたからです。
結果を見ればわかるとおり、関係が悪くなった家庭もわずか見られますが、関係がよくなった家庭の方が断然多いことがわかります。普段、なかなか親子の触れあいがなかった家庭においては、「親が平日も家にいることが多くなった」「子どもは毎日家にいる」という状況からふれあう機会が増えたのだと思います。ふれあう機会が増えたから「関係がよくなった」と感じる子どもも増えたのでしょう。その傾向は高校生にまで見られます。
子どもの電子メディアへの過度な依存傾向を食い止めて行くには親(大人)による「禁止」や「制限」ではなく、家族や友達、多くの人とふれあう時間を大切にしていくことが重要であると改めて感じたアンケート結果でした。
今後も、ギガスクール構想でタブレット等を使う機会は増えます。しかし家族、人との関わりを一番大切にして欲しい、それが過剰な電子メディア接触を防ぐ一番の手だてであるということを今後も啓発していきたいです。



Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2021年05月16日07:11

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