「一人でも多くの子どもたちに良質な舞台芸術を」吉村省吾さんの訃報
2022長野の子ども白書に、「一人でも多くの子どもたちに良質な舞台芸術を」という寄稿をされた、「信州子どもと文化」の吉村省吾さんが、過日ご逝去されました。同じく2022長野の子ども白書に「今だからこそ子どもも大人も豊かな体験を」を寄稿された、南部子ども劇場の三井佐紀さんからお知らせいただいて初めて知り、びっくり致しました。手書きの原稿をわざわざ箱清水の編集室までお届けくださったのは、つい5月のことだったからです。
ご逝去を悼み、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
「一人でも多くの子どもたちに良質な舞台芸術を届けたい」(2022長野の子ども白書P160~162)をご執筆いただきました。
吉村さんは1971年の春に、全国で34番目の「子ども劇場」誕生に貢献されました。「文化団体・長野子ども劇場」です。もともと児童劇団に参加していた吉村さんは、地域の小さな会場での公演や、「子ども原始村」の活動を中心に「子どもが主体」の活動を起こします。長野子ども劇場が今も各地で活動しています。
公演する良質な劇団を選ぶのも吉村さんの仕事でした。子どものための良質な児童劇団を育てることにも貢献されました。
やがてその実績が買われて、学校での演劇鑑賞教室での公演劇団を選んだり、つなぐ活動もされました。1997年に「一人でも多くの子どもたちに良質な舞台芸術を」と、「信州子どもと文化」という会を立ち上げ県内各学校を回って、良質な劇団の紹介やつなぐ活動をされました。今はほとんど行われていない「学校演劇鑑賞教室」ですが、長野県で育った多くの大人たちにとって、思い出深いものではないでしょうか?体育館で見る生の舞台に、ワクワクドキドキしたものです。吉村さんが2022長野の子ども白書に投稿された記事には、その歴史的経過や、公演数や内容が細かく報告されています。一つ一つの舞台に、一つ一つの学校公演に思い出がおありだったのだろうと、今読み返しています。訃報をお知らせくださった、南部子ども劇場の三井佐紀さんの記事もP154~155にあります。吉村さんは今も南部子ども劇場の会員だとお聞きしました。併せてお読みください。吉村さんが願っていたことを、さらに大事に実現させていきたいと思います。(合掌)