「きく」を哲学する。伊藤先生の論考は2024長野の子ども白書に掲載。

「きく」を哲学する。伊藤先生の論考が2024長野の子ども白書に掲載されています。

2024長野の子ども白書は、おかげさまで無事発行致しました。7月7日には発行記念講演会に70名を超す参加者が、大阪公立大学教授・伊藤嘉余子さんのご講演を聞きました。「きく」を哲学する・・・という、子どもの意見表明権を支える大人社会の応答(きく)についての、具体的でわかりやすいお話でした。子どもの権利条約のこと・子どもの意見表明権のこと・子どもの本当のニーズのこと・・・。私たちがずっと追い求めてきた「子ども達の生きづらさ」の原因がこんなところにあったかもしれない!とハッとさせられます。私たち(私)が良かれと思ってしていた応答や支援は、子どもの本当のニーズではなかったかもしれないし、そもそも、子どもの本当のニーズを「訊いて」いなかったことに衝撃を受けます。自分の気持ちを言語表現できない(訊いてもらえない)もどかしさから、手が出たり身体症状が出たり黙り込む子どもたち。被虐体験をした子どもほど、言語表現を止めている。「どうして語らないのか」(Why)ではなく、「何が有ったのか(What)を訊いてもらい、一緒に考えてもらい、ともに行動してくれる大人に出会う」ことしか信頼回復ができないと。「子どもは今を生きている」という強烈なメッセージも「あなたの将来のために良かれと思ってする応答や子育て・教育」は、もう一度今を生きる子どもの気持ちを「きく」ことに立ち戻らなければ・・・という警告にも思われました。それぞれが自分に引き寄せて自問し考えられるお話でした。終了後すぐに「次はいつ伊藤先生の講演がありますか?」と聞かれる参加者がいて、「もっと聴きたいお話でしたね」と苦笑でした。
 さて因みに、この伊藤先生の論考が2024長野の子ども白書に掲載されています。併せて「不登校」というできごとを子どもに「きいて」そこから考えていこうとする取り組みも掲載しました。「子どもの権利条約を読んだことがない」大人がたくさんいます。2024長野の子ども白書の巻末に「こども基本法」「子どもの権利条約」を資料として掲載しています。ご一読ください。
 財政的な苦境を何とか切り抜けて発行に至りました。完売しないと資金を回収できません。ぜひご購入下さい。


Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2024年07月12日07:54

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