顧問の体罰で桜宮高校生徒が自殺してから10年。体罰していた男性が語る

顧問の体罰で桜宮高校生徒が自殺してから10年。体罰していた男性が語る

朝日新聞に、10年前体罰を苦に、バスケットボール部の生徒が自殺した事件の加害者である元教師がインタビューに答えている記事がありました。
論旨退職となり、教職を追われた後、地域のチームで裏方仕事に携わった。別の学校から声がかかり、体罰について隠さず伝えたが、それでも受け入れてくれた。「どんな理由があっても悪いこと。やらない方がいいに決まっている」と語っています。

■この男性は、自身が高校や大学で理不尽な体罰を受け、「見せしめ役」として他の部員よりも良く殴られていた。・・・強くなるには反骨精神を持つ必要がある。そのためには多少の体罰は必要だ。大学を卒業する頃には、そんな考えが染みついていた。部活の顧問になり、やがて部員をたたくようになった。「体罰を乗り越えれば強くなれると思い込んでいた。結局殴られたやつが殴るんですよね」と話している。

■「体罰は生徒のためだと思っていたが、結局、自分の怒りをぶつけていたのかもしれない。気合が入って行動を改めたと思っていた部員も、体罰が嫌なだけで本当の成長につながっていなかったのかもしれない。自身の持っていた指導観はひとりよがりだったと気付いた」と、処分を受けて10年たって語っています。「今さら」「今頃」・・・。

■2年前に長野県子ども支援委員会に、中学の部活顧問からの暴力・暴言について申立てしたAさんの件は、いっこうにその審議の報告がありません。もしかしたら、申立てがあった時点で、加害者である顧問はすでに自分のまちがいに気づいたかもしれません。しかし、そのことを公表することも被害者に謝罪することもなく、「体罰」の処分で済まされて教壇にいます。

■学校と言う組織が、子どもを管理する責任を負っているために、一人の職員の不祥事を簡単に個人の問題として片づけることはむずかしく、指導責任を負っている上司も教育委員会も、事実を知った時点で被害者を救済していなければその責任を問われるからです。

■この事件でも顧問は見せしめや理不尽な体罰をしていました。この部員たちが将来また指導者になったとき、同じことを繰り返すかもしれないという教訓を、どうか早く広く知らしめて欲しいです。


Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2022年12月24日21:19

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