角田光代著「森に眠る魚」

買ったまま読んでいなかったのは、たしかテレビドラマになったからだと思い出しました。たいてい本で読んだ原作のイメージは、映画やドラマになるとまるで別のものになってしまうから、登場人物の配役を目にしたとたん、「読むのをやめよう」と思ってしまいます。買ったら早くよまなくてはいけない。でも、この作家の描く母親世代の女性心理はとても興味深いので、やはり読んで見ることにしたのです。
予告通り怖くておもしろくて止められずに読みました。
登場人物は数人の「ママ友」たち。なぜかどの家の夫も理解ある理想的な夫で、「不満を言ったら罰があたる」ような設定です。徐々に作られて徐々にゆがんで壊れていくのは、子どもを介在した彼女たちの関係性です。怖ろしいくらいによくわかるそれぞれの気持ち。陥ってしまう最悪の情況。ともだちは得難いし必ずしも必要とは思えないけれど、子育てに「なかま」は必要だと思う。
「子育てサークル」や「親子教室」「保育園」「幼稚園」で子育てを共有する「なかま」。
おもしろい一冊でした。

Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2012年07月31日06:21

※このブログではブログの持ち主が承認した後、コメントが反映される設定です。

コメントを書く

 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。