東京都内の食糧配布に700人の列。長野のきずな村も143人で過去最多。

東京都内の食糧配布に700人の列。長野のきずな村も143人で過去最多。

今朝の信毎に東京都内で食糧支援をする団体(もやいなど)の30日に行われた食糧配布の記事がありました。リーマンショック(2008年)後に行われた「年越し派遣村」を思い出します。大量の派遣切りで路頭に迷う派遣労働者が、宿も金も食べ物もなくこの「派遣村」の列に並びました。それ以後東京はもちろん各地で行われている食糧支援の事業は続き、長野でも2011年以来毎年開かれています。
 あれから、景気は回復したのか、派遣労働者はどうなったのか・・・?貧困は解消したのか?
 今や日本の労働人口のうち、正規採用は5割強。非正規採用が4割以上・・・とも言われています。最近話題になっている公務員の「会計年度職員」も実は非正規で、その給料水準はとても自活できる金額では無いとも・・・。

■「もやい」の大西蓮理事長は、「2014年の活動開始以降、配布の列が700人を超えたのは今年が初めて。低所得の人がたくさんいるのが『当たり前の風景』になっていると危機感を示した」(記事引用)

■長野の反貧困ネットワークによる「きずな村」(冬)には143人がおとずれ、昨年冬(127人)・今年の夏(136人)を超えて、活動開始2011年以来、過去最高の来場者数でした。「家には家族がいる」という方には2個渡すこともあり、準備した支援物資250個はすべて無くなりました。「子どもの貧困対策」「コロナ禍支援」などで、フードパントリーも多くの機会に行われている中、それでもこうして寒い中並ぶ人の中には女性や親子連れが増えているのも新しい状況です。

■生活困窮者の中には、病気や障害で働けないために公的扶助や社会保障制度につながっている方も多く、いかに公的再配分のレベルが実態に見合っていないかを見せつけられます。異常な物価高騰はこの再配分にまったく反映されていないので、やりようがありません。わずかに上がった最低賃金も非正規労働者にすぐさま跳ね返るほどの額ではありません。

■岸田政権がこうしたことを理解したのか攻撃を怖れたのか、「生活困窮者への一時金支給」が決まりました。こうした「お上からの賜りもの」は、生活保護でも「貯金」が許されるとのことで、財布に「15円しかない」と言いながら、以前に支給された「10万円」をまだ貯金している人もいます。「この先なにがおこるかわからないから」。そしてまた食糧支援の列に並びます。

■「子どもの貧困」は、日本の「貧困問題」そのものです。大西さんが理事長を務めるNPO法人「自立生活サポートセンター・もやい」も反貧困ネットワークも、働くこと・自力で収入を得ること・公的制度利用することで、生活の自立を支援する団体です。自立のためには支援が必要だからです。家を離れた学生も生活困窮しています。保護制度を利用する人も孤立しがちです。

■「低所得の人がたくさんいるのが当たり前の風景」って、国政の「貧困」そのものですよね。ソーシャルアクションを!!








Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2023年12月31日08:35

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