なんでも同じになるように決まってしまっているなんて息苦しいしもったいない

なんでも同じになるように決まってしまっているなんて息苦しいしもったいない

長野市内で「回る周るハウス」という無料リサイクル広場を開催しています。子育て家庭には「おさがりや再利用」も有効だと感じて使い終わった学用品や子ども用品を集め無料で必要な人に提供しています。ランドセル・制服・辞書・・・なんでもあります。みんな高校生になればもう使わないから、きれいなら誰かに使ってもらう方がいいです。でも、近年とても気になるのは「学校用品の指定」「注文の方法」「同じじゃないとダメ」というこまかい制約があることです。運動着・上履き・学習帳・給食着・鉛筆の濃さ。これらはきっちり決まっているらしい。似たようなものがあっても使えません。絵具箱・裁縫箱・習字用具・色鉛筆・算数セット・鍵盤ハーモニカ・縦笛などは、その都度注文用紙が配られます。家に同じようなものがあっても、「回る周るハウスにはある」ものでも、子どもは「みんなと同じじゃないとイヤ」「注文用紙の品とちがう」と言います。「手作りで」と寸法まで指定した説明書付きで注文される図書袋やレッスンバッグも材料を買えば高価です。目的にかなえば何でも良いのではないかと思います。肩掛けは今やいらないし、アマゾンの本のあき袋でも十分です。要するに図書館で借りた本が傷まなければ良いだけです。子どもの感性や好みも保護者の価値観も多様です。なんでも「同じ」をやめれば、子どもの選択の幅は広がるし、何よりモノは大切に長く使えます。「自由にすると経済格差がみえてしまう」と言う人がいますが、格差は無い方がいいけれど、家計にあった工夫をすることは決して問題ではありません。多様な暮らしがあることを認め合い学びあうことは大事な学校での「人権教育」です。お金がない人に同じものを買うように強要するほうがよほど「差別」だと思います。どうしても同じにしたいなら、はじめから学校で揃えればよいでは無いですか。完全無償。これなら文句は言いません。

ある社会福祉法人が休眠預金を元手に、コロナと物価高で困窮する家庭を支援しようと「やさしさめぐるプロジェクト」を展開しました。(6月から2月)食料品と生活物資の宅配は好評で、またたくまに評判になり対応が間に合わないくらいでした。このプロジェクトが子どもたちのために「運動用具の支援」を行いました。部活用品が高くて買えない、部活に入れない、運動するための道具や靴が買えない・・・という子どもたちに「応援チケット」を発行しました。最終月の2月はスポーツ用品店や靴店から在庫品を提供してもらってのリサイクルフェアを開催しました。
高価なスパイクシューズが何足もありましたから、すぐ無くなると思っていたら、あまり出て行きません。「チームで色や形が決まっているから、それじゃないと履けない」のだそうで・・・。体育館シューズ(上履き)も学校指定なので、やはりちがうものは履けない。運動用具店の在庫の中には、某中学校の指定ジャージがたくさんありました。最近モデルチェンジしたので古いデザインの品はもう売れない…のだそうです。こちらはさすがに良品なので「家で着られる」と持って行く人がたくさんいます。学校は「決まったもの」しか使えない。もったいないなあ・・・。転校して一そろい買い換えた・・・という話も聞きます。

じわじわと押し寄せる「同調」「同質」の圧力は、持ち物ひとつにも、その扱いやふるまい方にまで及んでいるように感じます。


Posted by 長野の子ども白書編集委員会. at 2024年02月14日20:42

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